1月28日、茨城大学講堂を600人近い聴衆で立ち見も出るほどに満員にして開催された地域史シンポジウム『異説?新説!佐竹一族』に参加してきました。

過去50年間の佐竹氏研究の成果をまとめるという意味のあるシンポジウムだったと思います。特にここ十数年の進展が目覚しいようです。全国規模の大きな歴史と常陸ローカルの歴史とつなぐ氏族としての佐竹氏の魅力を感じられる内容であったと思いました。また、たくさんの質問にほぼすべて回答してもらえたのも、質問者にとっても聞いている者にとっても良かったと思います。
最初の趣旨説明で高橋修先生は『佐竹一族の中世』はよく売れて多くの人が手にとってくれたと思いますが、論文集なので内容は難しかったと思います、と言われました。私は本書の著者がほぼそのままシンポジウムでの講演者になっていることから、一般の人にも分かりやすく本書を噛み砕いた解説をしてくれることを期待したのですが、若い先生の中には話の筋道を追えないほど細かい説明を盛り込み過ぎの方も見受けられ、それが残念な点でした(研究者向けの話としてはあれで良いかもしれませんが、一般の聴衆へ話す場合にはあれでは内容がほとんど伝わらないと感じられました)。
また、最後の五浦研究所長の閉会の挨拶は、内容はここには書きませんが、そうとうピンボケでした。もう少し見識あるご発言を期待したいところです。
何はともあれ、茨城県内における近年の佐竹ブームは、自分たちの直接の先祖が佐竹に繋がっているという実感が原動力になっていることは間違いなく、一過性のブームではなさそうです。そして、過去50年間の佐竹氏研究の成果に立った上で、研究は進展しつつあると感じます。地元の盛り上がりと研究の進展が重なる現在は、様々な立場の人にとっての大変楽しい時代の始まりと言えるのではないかと思いました。
★ 茨城城郭研究会ブースでは、多数の方に『改訂版・図説 茨城の城郭』『続・図説 茨城の城郭』『常陸太田市内外の佐竹氏関連城館』をお買い求めいただきました。また、片隅をお借りした拙著 『北海道道南の陣屋と台場 [改訂版]』も予想以上のお買い上げをいただき、合わせてお礼申し上げます。
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